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＜2011/07/07更新＞
　世界のアルミニウムについて、USGS（米地質調査所）発表の資料をもとに表とグラフにまとめました。アルミニウムはシリコンに次いで地殻で2番目に豊富な金属元素ですが、商業的にはちょうど100年を超えるほどの比較的新しい産業です。アルミニウムは鉄や銅と比べて約3分の1の重さであり、加工しやすく、耐久性に優れた金属です。そのため、交通車両や包装、耐久消費財、建設、送電線、機械など多くの用途で使用されています。1960年代後半にはアルミニウムのリサイクル化が社会に浸透しました。

　・関連ページ
　　「世界のボーキサイト」
　　「世界の研磨材」

■　世界のアルミニウム（国別生産量の推移）

（単位･･･千トン）	1995年	2000年	2005年	2010年
中国		2,550	7,800	16,800
ロシア	2,722	3,240	3,650	3,850
カナダ	2,172	2,370	2,890	2,920
オーストラリア	1,297	1,770	1,900	1,950
アメリカ	3,375	3,668	2,481	1,720
ブラジル	1,188	1,280	1,500	1,550
インド			898	1,400
ＵＡＥ			750	1,400
バーレーン			751	870
南アフリカ		671	851	800
ノルウェー	847	1,030	1,370	800
アイスランド				780
モザンピーク			555	550
ベネズエラ	630	570	610	440
ドイツ			668	370
フランス	400
その他	6,770	6,440	5,190	5,200
合計（四捨五入）	19,400	24,000	31,900	41,400

※空欄部分は極少または「その他」に含みます。
（出典）　USGS「Mineral Commodity Summaries(鉱物商品概要)」

■　世界のアルミニウム（国別生産能力の推移）

（単位･･･千トン）	1995年	2000年	2005年	2010年
中国		2,640	10,000	18,400
ロシア	2,970	3,200	3,700	4,280
アメリカ	4,180	4,270	3,700	3,190
カナダ	2,280	2,370	2,900	3,020
インド			950	2,300
オーストラリア	1,420	1,770	1,900	2,050
ブラジル	1,210	1,260	1,500	1,700
ＵＡＥ			750	1,650
ノルウェー	887		1,390	1,230
南アフリカ		676	860	900
バーレーン			750	880
アイスランド				790
ドイツ			670	620
ベネズエラ	630	640	650	590
モザンピーク			560	570
フランス	422	450
その他	8,200	7,950	5,800	6,800
合計（四捨五入）	22,200	25,800	36,100	49,000

※空欄部分は極少または「その他」に含まれます。
（出典）　USGS「Mineral Commodity Summaries(鉱物商品概要)」

●アルミニウムの電気精錬（ホール・エルー法）
　アルミニウムの単体は天然には存在しないため、化合物を融解塩電解して単体を得ます。ボーキサイトから得られたアルミナ（Al₂O₃、融点2015℃）に氷晶石（Na₃AlF₃）を加えて加熱すると970℃で融解します。この融解液を両極に炭素を用いて電気分解すると、陰極にアルミニウムの単体が得られます。
陰極　：　Al³⁺　+　3e^-　→　Al
陽極　：　3O^2-　+　3C　→　3CO　+　6e^-

●ホール（Charles Martin Hall、1863～1914、米）とエルー（Paul Heroult、1863～1914、仏）
　アルミニウムの単体分離は1825年に成功していましたが、強い化学結合力のために大量生産が難しかった。大量生産が可能になったのは1886年で、ホールとエルーがそれぞれ独立して融解塩電解法を発明しました。二人は独立しながら同年にアルミニウム製法を発明したことも不思議ですが、生まれた年も同じ、亡くなった年も同じです。

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